防犯カメラにはどんなタイプがある?タイプ別の特徴について解説

近年は防犯意識も高まっており、さまざまな場所で防犯カメラが設置されています。防犯カメラを設置しておくことで、犯罪に対しての抑止力も働くため、自宅や店舗などに設置している人も多くいます。一言に防犯カメラといってもさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?ここでは、防犯カメラにフォーカスし、種類や使用するケーブルなどについて解説していきます。

防犯カメラは同軸カメラとネットワークカメラに大別される

防犯カメラは「同軸カメラ」「ネットワークカメラ」の2つに大別することができます。見た目は似ているものの、物としては全く異なっています。大きな違いは、使用するケーブルです。それぞれ特徴について見ていきましょう。

同軸カメラとは?

同軸カメラとは、簡潔にいうと同軸ケーブルを使用している防犯カメラのことをいいます。別名アナログカメラともよばれており、一般的に同軸ケーブルはテレビを視聴する際に使用することの多いケーブルです。

同軸カメラは、日本において防犯カメラの起源となっており、1960年ごろ登場してから白黒の映像で録画できるものでした。現代においても同軸カメラは多くの場所で使用されています。

同軸カメラの構造についてですが、カメラとレコーダー、モニターで構成されています。

ネットワークカメラとは?

一方、ネットワークカメラについてですが、このカメラはLANケーブルに繋いで使用する防犯カメラです。別名IPカメラともいわれています。

LANケーブルは、ネットワーク機器とパソコンを繋いでインターネットを利用するために用いられています。

名前の通り、ネットワークカメラはLANケーブルとつないでインターネットの回線を使ったカメラのことを指します。

LANケーブルは、同軸ケーブルと比較すると汎用性が高く、拡張することもでき、PoEスイッチを用いれば給電も可能です。

ネットワークカメラは、カメラとPoEハブ、ルータ、パソコンで構成されます。ネットワークカメラの利点として、リモートで操作することができ、現代のネットワーク社会に即して今後も普及していくことが予想されています。

防犯カメラに使われるケーブルの種類

先ほども防犯カメラで使用するケーブルについては簡単に触れましたが、防犯カメラを使用する上で必要となるケーブルについて改めて詳しく紹介します。

電源&映像ケーブル

同軸カメラの2ケーブルタイプでは、電源供給用に使用する電源ケーブルと、映像を送信するための映像ケーブルの二つを使用します。屋外に配線を行う際は、長さがある程度あれば対応可能ですが、外気による劣化には注意が必要で、その場合は配線保護を行います。

同軸ケーブル

電源ケーブルおよび映像ケーブルの両者が一体化されており、電源供給と映像を映すといった二つの役割を果たします。このケーブルは、1ケーブルタイプの同軸カメラで使用されており、ケーブルが1本で済むため配線周りがすっきりとするといった特徴があります。

LANケーブル

前述した通り、LANケーブルはネットワークカメラで使用されます。ネットワークカメラは、文字通りインターネットに接続して使用し、カメラ本体にIPアドレスが振られており、LANケーブルとルーターなどに接続して使用します。

LANケーブルはパソコンを使用していたらわかりますが、さまざまなタイプのものが市販されています。自宅のドアも閉められるようなフラットなタイプから、耐久性の高いタイプ、ノイズに強いタイプなどさまざまです。

使用する機種にあったものや設置場所に応じて適切なケーブルを選ぶようにしましょう。また、PoE給電のタイプでは、LANケーブルだけで配線は完結できるものもあるので、シンプルに使いこなすことが可能です。

防犯カメラの形状別の種類

防犯カメラには、形状によってさまざまな種類が存在します。ここでは形状別の防犯カメラの特徴について解説をしていきます。

ボックス型カメラ

ボックス型カメラとは、私たちが一般的にイメージしている防犯カメラです。形状は、細長く、四角形の形をしており、先端には丸いレンズが備わっています。

このタイプの防犯カメラは、ほとんどの人に防犯カメラであることが認識されるため、設置をしていることで、不審者による犯罪の抑止力にもつながります。そのため、防犯カメラとしての機能はしっかりとあるとともに、設置するだけで犯罪を防ぐための警告といった意味合いもあります。

バレット型カメラ

バレット型カメラは、ボックス型カメラから派生したものになります。バレットは銃弾と意味があり、形が銃弾のような見た目をしていることからこのような名前がつけられました。

バレット型カメラの大きな特徴は、ボックスカメラにハウジングとよばれる保護ケースを被せたもので、屋外で使用する際に適しています。

このハウジングは、ほこりや高温多湿な場所、雨や風、季節による温度変化などにも耐えられるような仕様になっています。

バレット型もボックス型と同じように、防犯カメラであることをしっかりと認識させることができるため、犯罪防止にもつながります。

PTZカメラ

PTZカメラについてですが、Pはパン、Tはチルト、Zはズームの略で、上下左右、遠近など、あらゆる角度を映し出すことができる防犯カメラです。

パンは、パノラミック・ビューを指し、水平方向にカメラを動かすことができ、チルトは垂直方向にカメラを動かすことができます。そしてズームは、近距離あるいは遠距離のどちらにも対応しています。

この機能があることによって、カメラの視野は格段に広がり、全方位を見渡せることで死角が少なくなるといったメリットがあります。

ドーム型カメラ

ドーム型カメラは、文字通りドーム状の形状をしたカメラのことをいいます。透明の半球状のケースにははいっており、主に屋内で使用されます。

ドーム型カメラは、一見して防犯カメラだと認識されにくく、オフィスなどで設置していても景観を損ないにくいといった特徴があります。

また、カメラのレンズがどの方向に向いているのかがわかりにくくなっているため、不審者に対して威嚇することが可能です。レンズは固定してあるタイプや360度回るタイプがありますが、いずれもカメラのレンズの向きはわかりにくくなっています。

小型カメラ

小型カメラは、かなり小さいタイプの防犯カメラで、指でつかめるくらいのサイズとなっています。小型カメラの形状は、筒型タイプのものや箱型タイプのものがあります。小型であるため、設置場所の制約がなく簡易的に取り付けが可能です。

小型カメラは、撮影していることを周囲に気づかれずに撮影できるため、万引き犯の行動を隠れて撮影したり、会社内などでセクハラやパワハラといった証拠をつかんだりするためにも使用されます。

カモフラージュカメラ

カモフラージュカメラとは、一見は防犯カメラとは気づかれにくいカメラで、日用品などの形に偽装しているカメラのことをいいます。

具体的には、ペンや掛け時計、腕時計、置き時計、ティッシュボックス、キーホルダー、USBメモリなどさまざまな形状をしているものがあります。

なぜ日用品などに偽装しているのかというと、隠れて撮影することができるため、会社内のセクハラの様子を撮影し、証拠を押さえられるといった目的があります。

防犯カメラだと気づかれにくい特性のため利便性は高いものの、盗撮などに悪用されやすいといった特徴もあるため、取り扱いには注意が必要です。

まとめ

ここまで、防犯カメラに焦点を当て解説しました。防犯カメラと一言にいっても、さまざまな種類が存在し、それぞれ特徴があります。防犯カメラは犯罪の抑止力にもつながる一方で、盗撮など悪用されるケースもあるのが実情です。

本来の防犯カメラの目的をしっかりと理解した上で、さまざまなシーンで活用していきましょう。